制御盤の熱対策
制御盤に限らず多くの製品が小型化へ向かっています。機器や部品の小型化は、放熱効率の観点からは悪化し、盤内の温度が上昇すると熱影響で部品の寿命が短くなり、最悪の場合、故障に繋がります。特に発熱する機器や部品は、熱の影響を大きく受けてしまいます。盤内の温度上昇を抑えるために正しく冷却機器を選ぶ必要があります。
半導体・電子部品は熱によって故障率を大きく加速させ、寿命を縮めます。
- 温度が10℃変化すると電子部品の寿命は半分になります。制御盤クーラーメーカーによる試験では、「電解コンデンサの寿命は、温度30℃では約8万時間、温度が40℃になると半分の4万時間になる」という結果がでています。
- 物質の化学反応速度の温度依存性の法則です。アレニウスの法則に基づくと「半導体における周囲温度と故障率の関係」では、30℃以下のでは故障率はごくわずかで、40℃では故障率1、60℃になると10~30倍近くまで増え、80℃では100~300倍近くなります。
制御盤小型化のアプローチ
- 生産ライン・設備の安定稼働
制御盤のトラブルで「生産ラインが停止する」などが起こると、時間的にも費用的にも多大なロスが発生します。電子機器の冷却を行うことは、機械の稼働率低下を防ぐための重要な予防策です。制御機器によって熱に強い・弱いがありますが、1年通じて40℃以下に管理できることが望ましいとされています。
制御盤 熱対策のアプローチ
POINT 1 遮熱板(遮光板)による熱対策
制御盤を屋外設置する場合、盤筐体の外に遮熱板を取り付け、直射日光など放射熱の侵入を防ぎます。
POINT 2 ファンによる熱対策
ファンで盤外の空気を取り入れることで放熱を促します。しかし周囲が高温であれば効果は少なく、粉塵や湿気のある環境では返ってトラブルの元になります。ファンが原因となってオイルミストを吸い込み制御盤が粉塵まみれになるという事例もあります。
POINT 3 熱交換器による熱対策
ファンと同じく放熱を促すものですが、熱交換器は制御盤の密閉性を保ったまま冷却が可能です。防塵対策としても選択されます。
POINT 4 クーラーによる熱対策
制御盤用クーラーを取り付けることで熱対策を行います。外気中のオイルミストや粉塵を侵入させることなく、盤内を理想的な温度レベルに保ちます。
制御盤熱対策の事例
- 制御盤 熱交換器
- 制御盤ファン